キャブレター KEIHIN PWK 28

キャブはKEIHINのPWK 28を付けています。
別売の「オプショントップ」と「(強)スロットルリターンスプリング」を使ってポン付けしました。
SDR.COM のこのページや、正規代理店のバムレーシングの(仮)ホームページにいろいろな情報があります。






「オプショントップ」(写真左)を使わないと、スロットルケーブルが余ってしまうそうです。 また、標準のスプリング(写真中央)だと、スロットルの戻りが弱かったので「(強)・・・スプリング」(写真右)を使ってます。
現在PWK28(M)は型落ちとなり、PWK28BとPWK28MUにとって変られたようです。(基本性能は変更なし)

PWK28Bは最初から上記オプション部品が使われてますが、バルブのカッタウェイ(CA)が3.0です。 また、全体的に小型らしいので、取り付けた時の傾きが影響するかもしれません。

PWK28MUは旧PWKと同じみたいで、CAは3.5です。ただ、出荷時のトップは短いタイプです。(スプリングは強い)
キャブはフレームの間から取り出す事が可能ですが、取り付ける場合はタンクを外したほうが楽です。 ジェットの交換やニードルのクリップ段数変更などは、 マニホールドとインシュレーターのネジ(キャブ前後の固定バンド)を緩めてキャブを回転させるだけで作業できます。
PWK28はフロート室の底に六角ボルト式の栓があって、これを外すだけでMJが交換できます。 これは便利。
設定をいろいろ試した結果・・・
出荷時'08夏定速重視加速重視
MJ135135138
SJ38
JNN68A
クリップ (上から)4 段目3 段目
CA3.5
AS (戻し回転)?1+3/41+1/21
油面 (H寸法 mm)19
点火時期n/a標準標準〜遅角進角
・・・となりました。 エアフィルタは豚鼻込みのストック状態ですが、 他の部分に社外・改造・他車流用部品を使っています。 油面の測り方(クセ)などでも濃さが変わると思うので、参考程度にお考え下さい。
略語は、MJ:Main Jet、SJ:Slow Jet、JN:Jet Needle、CA:バルブCut Away、
AS:Air Screw です。

ジェット類を沢山用意したのに出荷時のサイズと殆んど同じなのが悔しい。 でも、キャブ交換当初は出荷時の設定だと高回転域が全然回らず、もっと薄めの設定を使ってました。 少しずつ改造していくうちに、出荷時の設定付近がちょうど良くなったという訳です。
CAを変更してみたいのですが、スロットルバルブは単価が・・・。(笑)
SDRの純正キャブはMIKUNIのTM28SSで、出荷時設定は MJ: #175、NJ: P-8、クリップ: 上から3段目、PJ: #22.5、PAJ: Φ1.2、油面: 3.5mm〜4.5mm、H寸法: 15〜17mm です。(PAJ: Pilot Air Jet)

PWK28の素人的感想は、「SJMJの影響範囲が下図のように明確に分かれてない」です。 例えば、SJ を濃くすると、開度 1/2 前後の燃調まで引きずられて濃くなるように感じ、同様に MJ を濃くすると 1/8〜1/2 付近も濃くなるように感じました。
(R1-Z + MIKUNI TM30 では PJ(≒SJ)とMJが担当する範囲が(完全ではないですが)はっきり分かれている感じでした)

熟練の方なら感覚的な部分もセッティングで追い込まれるんだと思います。 CA、JN辺りでしょうか?
自分の場合、峠でシフトチェンジがスムーズになると、残りの(詰め的な)設定はなおざりになってしまいます。
SDRの泣き所である4500rpm付近のバタツキは少し残ってます。 これってキャブ設定というよりも、エンジンや給排気の設計から来る共振や給気の脈動が影響していると思います。 ストックの場合YEIS(キャブ直後にあるチャンバー)で抑え込もうとしているっぽいし。
高圧縮化やフライホイールの軽量化を実行すると、更に不整脈が出やすくなるみたいです。 キャブのセッティングで無理やり消すと肝心の出力特性が悪くなってしまうので、 (今のところ)そのままです。
・・・6速 3,000rpm以下でクルージングでき、2,500rpmからでもスロットルを空ければ加速していくので、とりあえず満足してます。



左はボイセンのリードバルブに付属のキャブ解説図とスロットル開度に対する各部品の影響度グラフです。 (一部勝手に修正(笑))
主な部品の役割(バームレーシングにある解説の要約+α)
  • メインジェット: スロットル全開〈最大馬力)時の燃料の流出量を制限。
  • メインエアージェット: ほとんどのキャブはボディジェットの為交換不可。
  • スロージェット: (PWK28はこっち)横のブリード穴から入ってくる空気(エアースクリュー等で調整)から混合気をつくる。
  • パイロットジェット: スロージェットとほぼ同意。スローはガソリンを空気とブリードし霧化するのに対しパイロットはガソリンの流量のみを規制して空気とのブリードは別の部屋で行う。エアースクリューで調整。
  • スローエアージェット: 通常は(PWK28も)可変式のエアースクリュータイプに変更。特にアイドル付近で効きが大きい。スクリュー*による調整の感度が鈍い場合、スロー/パイロットジェットを変更。
  • ジェットニードル(針): ニードルジェットと共同で、スロットル開度(全閉を除く)ほぼ全域で影響。テーパー、切り上がり(クリップ段数)、ストレート径など、開度により役割が異なる。
  • ニードルジェット(針が収まる穴の出入り口): ジェットニードルと共同でコントロールする。KEIHINではあまり交換しない。
  • スロットルバルブカッタウェイ: バルブの吸入側の切り欠き。大きいほど極低開度域で混合気が薄くなる。
  • パワージェット(PWK28にはない): スロットル全開付近で燃料の追加供給を行う。ジェットはフロート室内部の下側に付いていおり、燃料は外部ホースを経由して(フィルター側の)ファンネル上部の穴から出る。

ジェット類は、大きい番号ほど燃調が濃くなります。
エアースクリュー(AS)とパイロットスクリュー(PS)では、調整する対象が
  異なるため、動きが正反対になります。ASはフィルタ側、PSはシリンダー側にある。
  ・ ASは空気を調整し、燃調は時計回りで濃く、反時計回りで薄くなる。
  ・ PSは燃料を調整し、時計回りで薄く、反時計回りで濃くなる。
Power Jet ってどの辺から効き出すんでしょう?

油面ゲージです。
これを使うと、H寸法の計測が劇的に簡単になります。 ホンダの純正工具ですが、興和精機という会社がOEMみたいです。(自社名では販売していないみたいです) 商品番号は 07401-0010000 です。
ゲージの精度はよくないですがノギスを当てて予想するよりも確実です。 左右のねじれの修正や複数のフロートを同じ高さに合わせるのが面白いくらい簡単になります。 価格も安いのでオススメです。

Boyesen Dualstage Reeds

ボイセンのリードバルブです。 普通のリードバルブと異なり、大きい穴のバルブと小さい穴のバルブの2枚構造で、
低回転域でも効果的に動作します。 SDRにはTZR125R用の部品番号 715 が使えます。 価格は2008年5月の時点で
$32.95 です。 でも同じサイズで2気筒車のバルブが使えれば、(2セット付いているので)そちらのほうが得です。(笑)

宣伝やサンプル画像では、 純正ストッパを外して専用の(根元部分だけ押さえる)ガイドを使うタイプの写真が使われていますが、SDRやR1-Zで使うバルブの場合、純正のストッパを流用します。
ちなみに、「Power Reeds」は樹脂製バルブですが「Pro Reeds」は小さい方がカーボン製です。
カーボンがストッパーにバチバチ当ると割れやすそうですが・・・。 それでストッパーなしにするのかな?でもクランクケースに当るような気も・・・。
2枚構造の効果が本当かどうか試すため、 R1-Zにて他の部品や設定は何も変えず、半年程度した純正リードバルブからパワー・リーズに変えました。 その結果、燃調が見事に濃くなりました。
クリップ段数変更といった小手先の調整では対応できない程の変り方でした。

「濃くなった=キャブを通る空気の流速が上がった or 空気が流れる時間が増えた」だと思うので、 クランク毎に吸い込まれる空気の量が増えたと思います。 これでキャブの設定をきちんと出せば、 確実にパワーアップすると思います。 (どちらかと言うと中間域の変化が顕著で、トップエンドは微妙に悪くなっているかも。)
説明書にあるガイドラインを適当に要約すると・・・
ボイセンのリードバルブは燃調、特にメイン・ジェットをリッチ方向に狂わせがちです。

  • 調節はトップダウン(メイン・ジェットから始めて、クリップ段数、パイロット、エアー・スクリューの順)で行います。
  • クリップ段数は3段から始めます。
  • ストック・キャブのメイン・ジェットの場合、1〜3段絞ってください。
・・・と書いてあります。
webページで一般的に目にするキャブの設定方法は、ボトムアップの調整(PJ、AS → ニードル関係 → MJ)が大前提のように書いてある事が多いです。 ・・・が、個人(素人)的な経験では、ある程度設定が出た後はボイセンの説明書に書いてあるようにトップダウンで調整したほうが上手く設定できると思います。
このページの解説を参考にすると・・・

  1. 3速以上、スロットル全開の状態で、デトネーションが起きない範囲でMJを絞る。
  2. 中間加速のレスポンスを、クリップ段数を変更して調整。
  3. スロットル微開でのレスポンスを、JNのストレート径やASで調整。

・・・となると思います。
これを元に設定してエンジンが焼きついても、保証はしませんので悪しからず。 (同情はしますが(笑))


写真は2年間使用(6〜7000Km?)後に分解したバルブ周辺です。
バルブ自体の硬さは問題ないみたいでしたが、 下側のバルブだけ、ストッパを向く面にオイル焼けと思われる茶色い物体が付いていました。
また、同バルブのバルブシート(三角形のフレーム)との隙間が少し空いていました。
隙間のギャップは大した事無かったのですが、 バルブシートにペタンと付いてないのが気に入らない・・・という事で、 細かいサンドペーパーで汚れやエッジを修正し、裏表を逆にして取り付けました。(笑)
(サービスマニュアルでは、純正バルブの隙間の限界値は 0.2mm )

下側のバルブだけにオイル焼けが付いたのは、 駐車中に2ストオイルが少し漏れるというSDRの欠陥と関係しているような・・・ 欠陥とは関係なく、分割給油だと構造的に避けられないのかも。
サービスマニュアルではストッパの高さが8.3mmとなっていますが、 私は約13.0mmに設定しています。
ストッパの位置をストックよりも高くすると中回転域の出力がチョッと上がるように感じます。 同時に低回転域、特にクルージング域でバラつきが出やすくなるみたいですが・・・。 燃調も濃いほうに狂うみたいです。

あまり高くしすぎると、ストッパーがクランクケースに当ってしまいます。 そうすると振動でケースを傷つけそうだし、 熱が直接バルブに伝わって疲労が早くなりそうなので注意が必要そうです。
バルブシートのブロック内部は、R1-Zと同じように修正してあります。

燃料周りその他

エンジンを止める前に、燃料コックをOFFにして数分間アイドリングするように心がけてます。
キャブ内の油面を下げてフロートへの負担を減らすための儀式です。 H寸法の狂いは、2年で1mm弱でした。
ストックの燃料コックはバキューム式のためOFFにできませんが、OFF/ON/RESの自由落下式に改造できます。


改造といっても、 燃料コックを分解してツマミとそれを止める外側のプレートを180度回転させて取り付けるだけです。 あと、ゴム製バルブの軸部分に薄いナットを取り付けて、バキューム動作を止めたと記憶してます。 燃料コックの詳しい分解写真はSDR.COMにあります。
改造後はツマミの矢印を9時の方向に回すと「OFF」、12時で「ON」、3時で「RES」になります。 見た目を大きく変えない上、リザーブ付きなのは嬉しい。

それにしてもこの燃料コック、どう考えても欠陥部品だと思います。 新品に変えても1年後にはダダ漏れでした。 ・・・2ストオイルをガソリンと混合して入れてる間は問題なく動いていましたが。

左は便利との噂を見て購入した「クイック・リリース」です。 ゴムのパッキンがすぐにダメになって、(私には)使えない商品でした。
パッキンがダメになると、燃料が漏れ出します。しかも出先とかで。(笑)

これもオイルを混合方式で入れてる間は問題なく使えてました・・・ 別の車種やレースをする場合なんかでは有用なんだろうか?

見た目からは想像できない高額パーツです。 アルミの削り出しとかだったら、もう少し確実に動作するのでは?
私の経験では、クイック・リリースを使うより、燃料パイプを新品に交換するだけの方が作業がクイックにできました。(笑)

目次へ戻る